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HDMI液晶基板(3-in-1) レビューと Raspberry Pi 設定

aitendoのHDMI液晶基板(2014年3月購入の7インチ版ファーム品)にRaspberry Piを繋いで電源ON。
下の写真はconfig.txtを弄って【ほぼ dot-by-dot /800X480】に出来た時の物で、デフォルトのままではスケーリングが利いたような状態(チッチャイ文字)かつオーバースキャンで映りました。

raspberry_pi_aitendo_hdmi_800_480.jpg
次回にレポートしますがアスペクトは僅かに破綻しています(下の写真でも天地の圧縮は起きている)
(タッチスクリーンが張り付いていますが、備忘録は液晶基板検証の後に)



■イントロ■ ~繋いでポンとは行かなかったお茶面なヤツ~

デフォ状態のRaspberry Piと最初の接続時(スクショは撮り忘れ)、かなり画面の周囲がぶっ飛んだ状態で表示。まあ解像度は後で手動で合わせればいいやと、あまり深く考えず。
ターミナルからconfig.txtを編集して解像度だけを800X480に設定。リブートすると、あれ?、、、。
垂直同期のタイミングがコケてる、、、、、。

垂直同期の終了前に数ライン分の送出が始まり、画面最上部に表示されるのは先頭から数ライン遅れたライン。結果、表示用データーは480ラインを僅かに不足となるが、その分は本来の最終ラインの後(タスクバー以下)に現れています(現れるのは同じ天井部分のラインであり、同期と被ったラインは喪失=天井ギリにあるMidoriのアイコンの角が再び現れている)。
後から判った事ですが、これでもコントローラーが480と言うライン数をカウントして表示できたのは幸運。

よく見るとMidoriのアイコンが天井に届いてしまっています=【ほぼ dot-by-dot】版ではきちんとスペースが有り、それが同期と被った喪失ライン。

20140330_003.jpg
(この解像度自体が幸運な動作で、実はサポート外だったりして・・・)


冷静になって考えてみました。
・そもそもaitendoの商品情報にはPC接続時解像度800x480なんて言葉はドコにもありません。
・液晶は指定品と同型ですが同店販売品ではない(AVソースの動作確認では問題無いので?)。

当初、モニター部分なんかさっさと組み立ててRaspberry Pi弄りの方に戻るつもりでしたが、ここはちょっと寄り道して7インチワイドの液晶パネルとHDMI液晶基板を探ってみる事にしました。

そう言えば、基板注文前にHDMI液晶基板(3-in-1)とRaspberry Piをググってもまだレポート上がっていなかったような。
以下、HDMI液晶基板(3-in-1)のメモですが2回に分けてアップしておきます。
それなりの機能と性能はあるようなのでHDビデオモニターを作る際などの参考にでもなれば幸いです。



■HDMI液晶基板(3-in-1)/7インチワイドLCD(800x480)をPCとAV機器に繋いで判明した事■

①アナログモニターで良くある画面アジャストがメニューに出るがスキップして入れない。
表示位置(同期タイミング)や表示領域の調整が必要な場合は送り側(PCなど)で融通を利かせる必要があり。

20140403_003.jpg


②PC用ディスプレイとして使う場合、NVIDIAのコントロールパネルのような詳細な設定機能が使える環境なら、7インチ液晶の物理ドット数(dot-by-dot)のような低解像度動作も、また表示は細かくなり滲みますが高解像度の表示もスケーリングを利用し表示させる事は可能だと思います。突っ込んだ検証はしていませんがアスペクトの維持もできると思います。
EDID情報頼りでケーブルを繋いだだけでは画は出るけど多分ダメ。
※次回に詳細な理由を書きますが、補正なしのdot-by-dotだとアスペクトが僅かに崩れます(天地圧縮)。

20140403_001.jpg
アンタブというより昔のCEみたい。文字は大きくて楽。

20140403_002.jpg
オヤジには少々キツい文字サイズ


③Raspberry Piの場合、config.txtの記述だけでは同期位置の調整ができないようで(可能なのかも知れませんが検索しても出てこなかった)、現状では個々の表示が滲んで小さくなるがスケーリングの効く解像度を見つけるか、見栄えくっきりの800X480だけど垂直同期に被った天井部分の数ラインが周回遅れとなってタスクバーの下に現れる状態を我慢する、あるいはフォーカス感が若干落ちる800X(480ちょいマイナス)使用のほぼ dot-by-dot(一見してマトモなデスクトップ)となるようです。方法は後述。

④感覚的にデジタル接続のPCディスプレイでのネイティブ解像度は液晶の物理ドット数であり、結果当然ですが四隅までキッチリ表示されると思い込んでいました。でもこの基板(800X480バージョン)のEDIDが外部に送るネイティブ解像度情報は1280X720P。スケーリング時にオーバースキャンしてます(画面の縁がわずかに切り取られる)。
すなわち720Pのビデオモニター ←コレが結論だけどお茶目にもまあまあの性能を誇る。

そもそも800X480のPCモニターを作ろうという人はあまりいないでしょうし(TK-80の時代は高価なボードを追加して縦32ドットでも有り難かったけど、今はXPでさえ縦480なんて小さい値は嫌がって表面上の設定には現れないんですね←初めて知った)、ショップとしてはビデオモニター的な用途を見込んでの商品なのかも。

車載以外の小型HDMIモニターは業務用途の高価な物ばかり。アマチュアがビデオカメラやデジカメのロケ用、旅先用モニターとして使える物は少ないのでそれを自作する価値は大いにありでしょう。
こういった基板では無理かと思っていましたが、地デジやBDも見れます(ちょっと感動)。



■EDID覗き■

EDID=DDC(Display Data Channel)を使い、ディスプレイ側が送出側(PC/AV機器)へ送る、動作に必要なパラメーター群。これ以外は対応不可能(動作保証無し)/リスト以外のテーターを送られたら画面真っ暗かもよ?、という意味合いもアリかも。
(液晶パネルからLCDコントローラーへもEDIDで情報を送る場合があります)

この基板のEDIDを見てみました。
(20世紀後半に秋葉でバイト少年していた経験から、特定のお店と懇意になる気は毛頭ないのですが(サラリと買って帰る人の方が格好良く印象的だった・偉そうに薀蓄垂れ流すオヤジ客は苦手だった)、EDID全部掲げちゃうのも失礼かと思うので解像度部分の一部だけ)。

Timing characteristics
Horizontal scan range.... 15-68kHz
Vertical scan range...... 50-80Hz
Video bandwidth.......... 150MHz
CVT standard............. Not supported
GTF standard............. Not supported
Additional descriptors... None
Preferred timing......... Yes
Native/preferred timing.. 1280x720p at 60Hz
Modeline............... "1280x720" 74.250 1280 1390 1430 1650 720 725 730 746 +hsync -vsync
Detailed timing #1....... 1280x720p at 50Hz (16:9)
Modeline............... "1280x720" 74.250 1280 1720 1760 1980 720 725 730 750 -hsync -vsync

Standard timings supported
720 x 400p at 70Hz - IBM VGA
640 x 480p at 60Hz - IBM VGA
640 x 480p at 67Hz - Apple Mac II
640 x 480p at 72Hz - VESA
640 x 480p at 75Hz - VESA
800 x 600p at 56Hz - VESA
800 x 600p at 60Hz - VESA
800 x 600p at 72Hz - VESA
800 x 600p at 75Hz - VESA
1024 x 768p at 60Hz - VESA
1024 x 768p at 70Hz - VESA
1024 x 768p at 75Hz - VESA
1280 x 1024p at 75Hz - VESA


どこにも(上記以外の部分でも)800X480なんて無いですが、そもそもこのEDID、借り物っぽい。
MonInfoをDLしてEDIDの先頭部分を見るか、PCのビデオカードがNVIDIAならそのPCに繋いでNVIDIAコントロールパネル→解像度の変更などでアイコンの下に型番が現れます。37インチ720Pの中華テレビじゃん。

上のブロックは同期周波数範囲とかネイティブ解像度を定義していますが、下のブロック(サポート解像度)のうち、800x600とかは色がぶっ飛び、サポートしているとは言い難いものまで記述されています。
お茶目。

まあ、EDIDは送り側に与える情報(LCDコントローラーの仕様書)なので、基板内の話に限ればLCDコントローラーへの影響は無い場合も多く(コントローラーが自身の設定にコレを参照していると動作に影響を及ぼすが大抵は単なるシリアルROM。電源を含む全てのピンがコネクタだけに繋がっている=モニタのコンセントが抜けていてもPCはEDIDを読める)、ネイティブ解像度のパラメーターなどがコントローラーのそれと合致した物ならコピペ物でも構わない訳です。EDID情報を無視したパラメーターを使う事もPCの勝手的には可。
(変態EDIDをPC等に送りたい場合、秋月のPICライターで繕うことも可能。)

20140403_007.jpg




■オーバースキャンの検証■

HDMIビデオモニターを作る際の参考として表示域(オーバースキャン)の具合を確認しました。
スケーリングを使うとそのままではPCモニターには少々キツイ事が理解できますが、ビデオモニターとしては合格。

下がSONYのコンデジ、DSC-HX5Vの16:9で撮った撮影データー(JPEG)です。
縮小しましたがアスペクト=16:9はそのまま。

test_overscan_001.jpg


HDMI液晶基板+7インチ液晶にHX-5VのHDMI出力を表示させた場合(1080i)。
1080iを基板側できちんと720pにスケーリングしてくれています。
撮影データーと比較すると黄色い枠内が表示されています(オーバースキャン)。
デジカメやビデオカメラの録画を確認するには十分ですし、画質も悪くありません。アスペクトもまあまあ。

test_overscan_002.jpg


同じくHDMI液晶基板+7インチ液晶にHX-5VのHDMI出力を表示させた場合ですが、出力を480iに設定。
液晶の上下には黒帯が入りますが、表示データーの天地は切り取られていないようです。左右ではピンクの線より外側が切れています。
赤いコンデンサや左下の40PIN IC/モールド部分の丸で微妙な横伸びが解ってしまう。1080iの方が自然かも。

test_overscan_003.jpg


参考までに、23インチのFull-HD PCモニター(ピクセルアスペクト1:1)のHDMIにHX5Vを接続。
全部映ります。(周囲が黒いのは表示内に帯が入っているのではなく、モニターの額縁です)。

test_overscan_004.jpg


すわなち、ビデオ映像を鑑賞する分にはさほど問題ありませんが、スケーリングを利用してのPC画面表示だとCUIではプロンプトが切られて見えなくなることもありそうで寒気。
画面下部にタスクバーのあるGUIでもヤヴァいですが、いずれにせよPC側で表示域の設定ができれば大丈夫。

PCでの検証に入る前に悪戯でBDプレーヤーを接続。蹴られると思っていたら見事にジェイソン・ボーンが映りました。
結構綺麗に映るので久々にボーン・アイデンティティ鑑賞。こうなると近日中にスプレマシーの鑑賞も必要。

aitendo_hdmi_3_in_1.jpg


基板をPCに繋いで確認するとHDCPは見事にクリア。なんか嬉しい気分。

aitendo_hdmi_3in1_hdcp_001.jpg


I/O-DATAの地デジチェッカー(←リンク)でも地デジOK(HDCPクリア)。

aitendo_hdmi_3in1_hdcp_002.jpg



■Raspberry Piに繋ぎ【ほぼ dot-by-dot】で使う方法■

まずは検索でそれらしき解像度の商品を探し、その設定を参考に。
(基板は異なりますが、このサイトで売っているモニターキットの解像度が800x480)
http://www.adafruit.com/products/1678#Technical_Details (←リンク)
※この設定だけのコピペでは同期がコケますので②のoverscan設定を追加。

本家らしきサイトでその意味を確認してからRasPiのconfig.txtを修正
http://elinux.org/RPi_config.txt (←リンク)


raspberry_pi_aitendo_hdmi_3in1_config_txt.jpg


①とりあえずRasPiのHDMIで800x480を実現させる
hdmi_group=2   ←HDMI modeをDMT format に指定
hdmi_mode=87   ←DMTグループには86までで、表にはコレが無いけど・・・
hdmi_cvt 800 480 60 6 0 0 0 ←下の表が数字の意味

 800 width (pixels)
 480 height (pixels)
 60  framerate (Hz)
 6  aspect ratio 1=4:3, 2=14:9, 3=16:9, 4=5:4, 5=16:10, 6=15:9
 0  0=margins disabled, 1=margins enabled
 0  0=progressive, 1=interlaced
 0  0=normal, 1=reduced blanking

②画面最下部を綺麗にして ほぼdot-by-dotにする(Raspberry Pi側で同期のタイミングを調整できれば以下の設定は無用になり文句なしのdot-by-dotが実現できるはずです。幾つか、それらしい所はあるもののまだ検証には至っておりません。もし見つかれば追記します)
overscan_top=10
【ほぼ dot-by-dot】となるのを覚悟の上で、異常表示部分をオーバースキャン(表示域を狭める)。
実際に邪魔なのは下部に現れる数ラインですが、絵柄から判断してその正体は垂直同期直後の数ライン。なのでtopにオーバースキャンを設定したら見事に黒塗りとなりました(数値10)。
結果、物理的には液晶下部/横方向480ラインの一部を使わなくなります。
しかし理論上では480ラインを維持しているようで、(480-Δ)にRaspberry Piの方でスケーリングして送っている感じ。
JPEGなどの画像で例えると800x480の絵を絵柄の喪失なく800x(480-△)に変形する感じ(一部をカットするトリミングでは無い)。
起動画面のテキスト列は僅かに柔らかく表示されました(心配したほどの不自然さは無い)。
当然ですがアスペクトはわずかに天地圧縮が増加します。

③念のため?
config_hdmi_boost=4
(wikiより)Configure the signal strength of the HDMI interface. Default is 0. Try 4 if you have interference issues with hdmi. 7 is the maximum.
HDMI出力のレベルを変えているのか?、他にもRasPiの電源投入後、一度再起動しないとHDMIディスプレイから画が出ない等の問題時に使えと書いてあったのを見たような気がします。
ウチではアマゾンの激安ケーブルを使用、コメントアウトのままでも問題は無かったです。

raspberry_pi_aitendo_hdmi_3in1_ata070tn92.jpg


一応きれいなデスクトップとなり、懐かしい【ぽぽぺ(pocket post pet)】のCE化を思い出してしまいました。



■感想■
 
7インチの可愛いディスプレイなら作っておいても邪魔にならないし、旅先用720Pモニターには最適です。
また偶然にも対応パネルが手元にある場合、その活用法としてこういった基板を活用するのも手だと思います。願わくは基板購入者側でファームを書き換えられるようになればもっと楽しいのでが、サイトによるといずれ可能になるとか?。

3月30日から書き始め、介護の件もあって寝つきの悪さを利用し、深夜にだらだら書いていました。
書いてる途中で消費税が上がる、、、。

4月3日夕方、元ローカル(元無線の友達・今建築業界のオヤジ)が奥方と共に手土産持参で突然来社。
世間話とか、父親の病状を説明した後、
「まあ、気晴らしに遊んでや」
と渡されたのが、なななんとアマゾンの7インチ。
増税前に2個買った物が昨日到着したとかで、そのうち一個を陣中見舞いに頂戴してしまいました。

さきほど繋いでみた所、AVソース鑑賞時のオーバースキャンはaitendoの基板と同じ程度。
EDID(例によってコレのも借り物)に800x480はありませんが、RasPiでのd-by-d OKみたい。
(overscan_top=nの下部黒塗りは不要。一見して完璧なd-by-d)。

2014/04/03



追記04/04
アマゾンの7インチHDMIオンダッシュモニターを先ほど分解。
すごい!。
自作にも使えよ!みたいな作りに思わずニコニコ。

別箱のマウントキット他、付属品充実。

amazon_7inch_hdmi_001.jpg


電源、コンポジット、オーディオは上の複合ケーブルを使うようになっていますが、なんと基板上には単独の電源ジャック他が完備。HDMIも筐体から直にメスのコネクタ付ケーブルが延びていますが、単なる25センチ程度のオスメスケーブルなので差し替えが可能みたい(90度下方に曲げて下から出すのでコネクタ後方部分がやや狭い)。
口の悪い人は寄せ集めと言うのでしょうが、使えるユニットを組み合わせきちんと動作するものを効率良く安価に組上げる、これが今の中華工場の底力なのでしょうか?。恐るべし。

amazon_7inch_hdmi_002.jpg


予想はしていましたが、液晶はどこか!?で見たような型番。

amazon_7inch_hdmi_003.jpg


液晶のマウントは四隅をV字形の金具で押さえているだけ。タッチスクリーンの厚みが増えてもこの筐体を利用できそう。

頂き物なので大きな声では言えませんが、現在のプライス+送料でもお買い得ですね。
コントローラーのファームも優秀そうですし、後日レビュー残します。


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プロフィール

Dellbee

Author:Dellbee
デルビィです(少年時代にハマったアマチュア無線局のコールサインを捩りました)。
子供の頃から電子電気・機械物弄りが好きで、今も自分の時間が取れた時は何か弄っています。

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