2018/05/27
NJZ1900AE W-CDMA ガラケーテスター ジャンク解析 【1】
JRC製、携帯電話機テスター NJZ1900のフロントエンドらしきユニット。オークションにて入手。ポチった理由はケースのレイアウトがアンプとかトラジェネとかLOGデテクタなんかを作るのに丁度良さそうに見えたから。
現物を手にするまで既存の基板にはさほど興味無し。
以下、一人きりな伊東の週末、つい夢中になってしまった回路追っかけのメモ、前編。
(正確な検証はしていませんのであくまでもご参考まで)

携帯テスターの中でもジャン測マニア的には一番つまらなそうなヤツがNJZ1900。
画面なし、ツマミなし、筐体に派手なロゴ、、、。
(2016年に落書き程度のメモを残しましたが、弄って遊ぶなら同じJRC製でもNJZ2000)

天下のJRC製ユニット。決して少なくは無い数のビスを外してカバーを外す。
パッと見た感じ、帯域を絞ったり特定の周波数に同調するような部品は見当たらず。
入出力の経路は後でまとめるとして、まずは搭載されているデバイスを確認。
なんとなく予想はしていたものの思わず感動しそうなくらい、アナデバ製が中心。

入出力端子(この機械は入出力共通)に結ばれたATT後に送信測定経路と受信測定経路。

TX-INと記された本体内部接続用のコネクタからアナデバのガリヒ素デジタルアッテネーターへ。
max31dB/1dBstep/4GHz

左端に抵抗3個使いのスプリッタ(デルタスプリッタ)。 一方はRFスイッチでATT/スルー。
デバイスはおそらくHMC221B (GaAs, MMIC, SPDT Switch, 10 kHz to 3 GHz)

もしかしたらと期待しつつ、マーキングのJ1Aを検索。
AD8313 じゃん。基板上の部品を見てもほぼ間違いなし。
0.1~2.5GHz 70dB Logarithmic Detector/Controller
AD8313はメーカーの仕様書でダイナミックレンジ70dBを謳っています。
実装によって性能が削られるとしても天下のJRC製品ですがら、このまま使っても他国製のAD8313モジュールより性能的に期待できます。

スプリッタのもう一方はミニサーキットのRFスイッチへ。
コレもATTを通すかスルーするかに使用。その後は一段増幅して本体内部接続用のコネクタへ。

このユニットは基本的に経路上に置かれたRFスイッチでアッテネーターのON/OFF(スルー)を行っているだけ。それに加えて受信測定経路にログデテクタが置かれているのがなんとも有り難い。
携帯周波数帯に同調させている回路は無し。

RF部に必要な電源と制御線はハーメチックコンタクトで裏側に。それに繋がっているのがこちらの基板。電源とコントロール回路でしょう。
3線シリアルのD/Aコンバーターが1個。他、ロジック回路は74HCのみでMPU制御は無し。
回路を興せば未改造でも遊べそう(その気力があればの話)。
