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SI-3BG (CI-3BG) 動作点の探求?

20110405_005.jpg

80年代の事なのですが、共産圏産の真空管でアンプ作ったところ、非常に不真面目なアンプが出来上がりました。
短気になりがちな気持を抑え、波形を見ながらとっかえひっかえ定数を変更してもダメ。
散々悩んだ挙句、近所のOM(無線の言葉でオーエム;old man;先輩とかの意味です)のお宅に現物のセットと回路図を持ち込み、「きちんと作ったのだから動かなければオカシイ理論」で相談に伺いました。
知識豊富、聡明で穏やかなOMは、小生意気な電気小僧が「動かないのは部品のせいだ!」と結論付ける保証を求めてきたと思ったに違いありません。実際そうでしたから。

しかしOMからは穏やかな言葉で、
「カッカせず、部品のせいにせず、まず動作点を探しなさい」
と諭されました。

80年代~、日本製の電子デバイスは世界一の精度と信頼性で、私の幼稚な電気弄りの範囲では極端なRF(高周波)回路以外はデーターシートの数値を鵜呑みにして製作してもほぼ問題無く、それなりに動きました。
当時の私は、そんな自分だけの狭い常識の延長線上に、上陸ルートはもちろん、製造年代、製造環境も不明な共産圏の部品を並べて考えていたわけで、まさに若気の至り、OMの言葉はとても貴重なアドバイスとなりました。

さて、そんな青春のヒトコマをつい思い起こさせてくれた、非常に愛らしいGM管のSI-3BGです。

手持ちの線源を使う限り、得られているデーターでは動作の確認はできませんでした。
BGすら鳴りません!!???。
それでも無からの検索になることを考えれば、今や貴重な現物がそれなりの安価で入手できた上、それらしきデーターがあるだけでも有難く、これを参考に動作点を探さなければ、あの日のOMに叱られます。

まずはメッキ線の輪で作ったツルツル滑るコンタクトから専用ホルダーへ。
コダックの使い捨てカメラの電池ホルダーとテフロン板で作りました。
20110407_001.jpg

●実験中も電圧を監視したいので、(結構使えてしまう)映ルンの基板に平滑コンデンサ0.1μFを追加しました。
●テスター(正確にはFETアンプが入っているFET VOMです)の入力抵抗が10MΩ、リップル測定用のオシロプローブも10MΩ、都合5MΩでもリップルは650V時0.2V以下です。
●アノード抵抗は15MΩ(5~20Mで変化を実感できなかったのと、データーシートに15~20μAという記述があるので、それより流れますが、とりあえず15MΩとしました)。
●カソード側は100KΩで下駄を履いた点でTrのベースに流しています。この辺の定数は特に気にすることはないと思います。ラジオに雑音が入れば圧電スピーカーのBEEPも必ず鳴ります(取りこぼしはしていません)。



スタート時の電圧はVOM読みで620V、途中ドライバーが映りますが、そこから680Vです。

まだ実験途中ですが、SI-3BGは検知範囲も狭いので、特定の品物から検知するというより、環境測定に向いているような気がします。
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コメント

No title

v-238私も事故以来、ガイガー管を各種個人輸入し、特性などのデータ収集や製作記事を書こうとしている者です。SI-3BGの感度の悪さに手を焼いておられるようですが、この管は高エネルギーのγ線、エックス線専用の管で、バックグラウンドはほとんど検出しないのが正常動作のようです。電圧を上げていくとそれなりにバックグラウンドを拾うようになりますが、どうやら正常動作では無いらしいです。私も同じ問題で悩みましたが、海外のいくつかのフォーラムや資料には記載があります。

SI-3BGの同志です

こんにちは。

私もSI-3BGのガイガーカウンターを完成させたところです。
ttp://twitpic.com/photos/nnishi2011
今はこれにArduinoでカラー液晶に時間経過のグラフを表示させています。
一昨日、トリウム入りの溶接棒を入手したので、やっと正常動作が確認できました。
SOTOのマントルSTG-281で反応が出ないので設計を見直していたのですが、
過去の2ちゃんねる情報と違ってこのマントル自体に放射能がないことが
溶接棒との比較で判明してほっとしています。

実験結果では、SI-3BGは2本分を合わせてもバックグラウンドのCPMが
0-3CPMくらいで非常に小さく、Y.Uさんの指摘の通りです。
その時のアノード電圧は420V位です。この電圧は30M:150Kで分圧してオペアンプの
ボルテージフォロワでうけたものなので、たぶん正しい値だと思います。

実は、この管の測定電圧域は380~460Vです。このサイトにロシア語の説明書を英訳した
情報がありました。
ttp://mightyohm.com/blog/2010/02/datasheet-hell/
>Minimum voltage on anode in impulse mode – 380 volts.
Maximum voltage on anode in impulse mode – 460 volts.

そちらで試した700Vは抵抗の前段の電圧だと思うので、管にかかる電圧は
500-600V台だと思いますが、そこまで上げるとカウントも増すものの自然放電も増え、
最大定格外ですから、故障を招くと思われます。私もそのくらいの高圧で
実験中に管の中での放電の光を目にしました。460V以下にすると感度も下がりますが、
環境測定には使えるかと思います。

これから、ときどきお邪魔させてください。
私も近々サイトにまとめて形にします。

はじめまして

Y.U OM、nnishi OM、はじめまして。

コメントを頂きながらレスが遅れて失礼しました。
ご指摘の通り、SI-3BGに700Vは論外ですね。
YouTubeに動画をアップしてしまいましたが、海外の自作家の方々が見たら "アホな日本人が暴走して・・"なんて思われているかもしれません。
優秀な日本の研究家の面汚しになってしまったかもと、反省しております。

SI-3BGはカーソード材が相当に厚く、Maximum registering range : 300R/h とのことで、
1R=8.7mGy、1Gy=1Sv として、300R/h=2.61Sv/h (間違えていたらご指摘ください)。
2.61Sv/h とはかなり高レベルですね。
大雑把にこれをデバイスの上限と捕らえると、そこから下にセンサーとしてのダイナミックレンジが広がると考えました。あえてプラトー域を意識せず、電圧を高めに固定にすればレンジそのものを下げられないかと思ったのですが(フィルムで言う、増感とか減感でラチュードをそっくり移動させる手法です)、ご指摘の通り電圧を上げればBGも増加し、その割には激的な感度の向上は得らませんでした。またデバイス内の電極やガスの破壊などもあり得るでしょう。おろかな目論見だったのかも知れません。お許しください。

3パラの画像をアップしたままになっておりますが、これは推奨条件下での動作も含め、デバイスのばらつきなども検証しようと思った為です。
連休突入後になってしまうかもしれませんが、ぼちぼちレポートさせていただきます。

コメント欄でコミュニケーションがとれると楽しいですね。無線時代のラグチューを思い出します。
ぜひ今後ともよろしくお願いします。またサイトへのリンクもぜひお願いします。

No title

こんにちは。
Y.Uです。皆様失礼します。
Dellbee さま、恐縮されないでください。実は私も1Kvまで印加し、あわや管大破寸前までやってますし、nnishiさんも
相当印加されていることが目に浮かびます。きっとあの管を入手した人の多くは皆???になるのだと思います。
現在私はSbM20を使った回路のテスト中で、簡単な基礎実験編はutsunomia.comに掲載しています。今後、内容
充実させていく予定ですが、SbM20は知れば知るほどよくできた管で、反面高感度すぎて、150mR/h以上で徐々に
飽和するようですし、またβ線とγ線の識別もできません。β線カットにアルミ厚板で覆う方法もあるようですが、
高レベルではSI-3BGにバトンタッチ(あるいは2ウェイ)動作させようかとも思っています。いずれにしてもそんな高レ
ベル状態は計りたくないのですが・・。
今後ともよろしくお願いします。

私もふたたびお邪魔します

私は真空管を扱ったことがなく、高圧は全くの初心者です。
その上、この管については数は潤沢にあるけれど感度曲線がわからないし、
データシートを読んで負荷抵抗を決めようにも、計算では決められない
ところに難しさがあり、多くの方が悩んでいると思います。
理論はよくわからないので、カットアンドトライで、理屈は後付けに
なっています。

今は私の実験回路ではアノード電圧430V, 負荷抵抗2.3MΩ程度に
なっていますが、管を流れる電流の15-20μAをどう作るかについては
考えても計算では出せませんでした。つまり、430Vで20μA流すのが
抵抗だけなら21.5MΩという事になるのですが、その負荷抵抗値では
管電圧はどんどん下がって200-300Vの間になってしまいます。
それでは、とかける電圧を上げていくパターンに一時はまりましたが、
視点を変えると、負荷抵抗値を2.3MΩにした場合、カソードとGNDを
つなぐ150KΩの抵抗の両端の電圧を測定すると2V前後になりました。
それが正しいとすれば電流は2V/150KΩで13μAの管電流になります。
たぶんパルスの先鋭な電圧は機材の関係で捉えていないでしょうから、
実際はもう少し多く電流が流れていると思います。このようになだれ電流が
おこるときに管は抵抗のように働いているようです。

それがわかったので、今は負荷抵抗を下げ、電源もさほど高電圧をかけない
ところで落ちついています。それと、リップルをとるために負荷抵抗の
前段に置くコンデンサを4700pFから14700pFに増やすと動作しなくなりました。
昔の秋月のガイガーカウンターキットには470pFの小容量のコンデンサが
リップル取りについており、この数値は少ないと書くひともいるのですが、
コンデンサにあまり蓄電されていると、なだれ電流が起きたときに
アノード電圧が下がる分まで吸収してしまい、検出ができなくなったので、
容量は小さくて良いみたいです。リップルは測定パルスに対するS/N比が
そこそこあれば許容した方が良いようです。うちではテレビを分解して
得た4700pFをつかっています。

今のところこのように手探りですが、今後別な種類の管を2種類試せる予定なので、
そこでシーベルト換算など次のステップに進めるかと思っています。
乱文で失礼しました。今後ともよろしくお願いします。

No title

再びお邪魔します。Y.Uです。皆さんお元気ですか。
 動作させる要点は、印加する電圧、バイアス抵抗(アノード側高抵抗)、負荷抵抗(私はカソード/アース間に
挿入)の3っつの要素ですが、原理的にはバイアス抵抗を推奨値より大きくしても放電時以外は電圧は降下
しないはずです。降下する場合は管壁が指紋などで汚れ、電流がリークしている可能性があり、無水アルコール
と新品のメガネクリーナークロスなどで拭き清めると回復できる場合があります。
 バイアス抵抗値を上げていくと、荷電通路が形成される以前にハロゲン物質がクエンチングしてしまい放電が
不発になってしまうのですが、SI3BGの場合、10Mオームを超えたあたりからそのような気配が見えるような気
がします。電流は負荷抵抗のピークから換算で得るのですが、なかなか指定どおりにはおさまらないようです。
私も負荷抵抗は100Kにしています。ひょっとしたら「外部クエンチング」という方法を使わないといけないのかも
しれません。

No title

>動作させる要点は、印加する電圧、バイアス抵抗(アノード側高抵抗)、負荷抵抗(私はカソード/アース間に
挿入)の3っつの要素ですが、原理的にはバイアス抵抗を推奨値より大きくしても放電時以外は電圧は降下
しないはずです。

負荷抵抗という時に、私はいままでバイアス抵抗の方を負荷抵抗と呼んでいました。
バイアス抵抗というのが正しいのですね。

バイアス抵抗を増やしても放電時以外は電圧は降下しないというのは参考になります。管壁は素手で触っているのでたしかに汚れているはずです。それ以上に、私はアノード電圧を30MΩ:150KΩで分圧して普通のオペアンプで受けてアノード電圧を測定しているので、そこを流れる電流がリーク電流以上にあるのでしょう。アノード電圧を正確に測定するのは諦めているので、大まかに460Vを越えない程度に大まかに合わせていこうと思います。

>電流は負荷抵抗のピークから換算で得るのですが、なかなか指定どおりにはおさまらないようです。
なるほど、それで良いのですね。でも瞬時のパルスの最高電圧をはかるのは難しいですよね。
私はオシロもなく、DSOnano2で測っているので、なお難しいです。

こんばんは

Y.U OM、nnishi OM、コメントを頂きながらレスもできず申し訳ありません。
私の方は月末の仕事が片付き次第、GM管に向き合う予定ですがさてさて。

忙しさのストレスで今度は中華球に手を出してしまいました。

丁40B γ線計数管
始動電圧:285~340V
推奨電圧:400V
(おそらく)BG:80CPM
アノード抵抗(使用条件に記載の値):5~10MΩ

外形(大きさ):ほぼ魚肉ソーセージ;但しオレンジ色ではなく、固いガラス。です。

一見して壁(カソード材密度)は非常に薄いです。さてさて。
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プロフィール

Dellbee

Author:Dellbee
デルビィです(少年時代にハマったアマチュア無線局のコールサインを捩りました)。
子供の頃から電子電気・機械物弄りが好きで、今も自分の時間が取れた時は何か弄っています。

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