2018/11/21
Tektronix 453 early model オシロスコープの修理【1】
Tektronix type 453 early(S No.<2000) 50MHz dual-trace oscilloscopeジャンク購入のテクトロ年代物オシロ・修理メモ。
今月の18日夜、何方とも競わずに落札してしまった格安ジャンクです。
必要に迫られてではなく、修理を楽しめたらいいな程度のノリで手に入れてしまいました。
本体価格より送料の方が高額となるも、晩秋のウィークデーに代休取って秋葉に出たらそれ以上の小遣いを浪費したハズなので、コレはコレで数日分の玩具を買ったと思えばそれなりに幸せ。
20日の夕方にゆうパックで到着。破損が無い事を確認し、弄るのは代休入れた21日の午前から。
以下はその記録。
■外観程度
50年以上前の測定器です。eBayではまだそこそこの値が付いていますが国内ではどうなんでしょうか?。
競う人いなかったし、世間的には中国製DSOキットの方が魅力的かも。

フロントパネルにロゴを削った跡がありますがおそらくIBM納入モデルでしょう。
年式相応の汚れアリ。水没や落下歴は無い模様。

ツマミに欠品なし、ハンドル左のプレートも現存(ココ重要)。
ミントコンディションには程遠いものの内外共に致命的破損は無く、物好きのコレクションには成り得るレベル。
■内部の確認
動作には拘らず、ただ誰かが修理にチャレンジした物では無い事だけを祈りました。
(元の位置がわかるように)半固定にマジックで点々とか、接点復活剤が飛び散った跡などが出れば残念賞。

基板を起こした跡やビスの頭の荒れはメンテナンスの作業に因るものでしょう。改造跡は見当たりません。不調部分があるにせよジャン測としては所謂「ウブな状態」を維持しているように見えます。

金メッキパターンのプリント基板には1965(年)の文字。半導体は全てがソケット実装で脚は金メッキ。
秋葉原でバイトをしていた80年代後半、ワゴン車にジャンクを載せて売りに来る方(記憶の限りお名前は片山さん)と知り合う機会がありました。埼玉の倉庫に招かれた事があって、そこには当時の年代で見て中途半端に古い測定器や事務機(放電破壊式FAXとか)なんかがが山積み状態。ドラム缶に基板やLSIが入っていて、何かと尋ねたらコレから金を回収するとのこと。しかし金メダルを作るとは仰いませんでした。
※記述中 仰いません か 仰りません で悩みました。
今が80年代ならこのオシロも金取りの為に供出されたかもしれませんが、製造から50年以上経過した現在は不動でも壊すより保存すべきだと思います。
(大好きな千駄ヶ谷、そこにあった旧国立競技場。60年代の日本でオリンピックがあったという記憶のためにも残して欲しかった)

真空管が使われているのが453 early model だそうです(シリアル20000番以前)。
もろ該当機です。

ニュービスタ管です。
高校生の頃、近所にいらした年配のOM(コールプレートもちろん黄色)に教わり、拾ったテレビのチューナーから引き抜いた記憶があります。
数年前、日立のオシロを弄った時にも出くわしているので個人的にはさほど珍しくないが、今の時代ならエフェクターなんかを研究・自作している方に如何でしょうか。インピーダンス高くできるので初段に置けまっせ。
(この機械で使われている8393ならプレート電圧は75Vだそうです。中華製の昇圧DCDC基板で作れますね)

下の写真内右下、タイト製のラグ板に載ってるコンデンサのうち、上の物は銀色に透明チューブを被ったケミコンのハズですが黄色く変色し異物が付着しています。
ファンも回るけどゴロゴロうるさい。

カバー裏側の汚れ。
外から流れ込んだと言うより内側から来ている感じ。位置的に考えると上の写真のケミコンの電解液かも。

低圧側の電源基板にも異物で汚れ変色しているケミコン有り。

Z軸(液晶でデジタルオシロを作る人には無縁の次元ですね)の基板上に焦げた抵抗。
(抵抗値は今のところ維持=開いてはいない)

21日の午前はここまで。
何でもアリなのが趣味レベル。
目視や自分の知識だけで部品の異常あるいは寿命を判断し、液漏ハケーンとヒャッハーして即交換してしまう方法もアリかもしれません。厳しいOMに叱られたとしても、それが法律に触れて検察が動く事はありません。
しかしカッコつけた言い方をすれば機械の修理にはパズルや方程式を解くような楽しさがあります。求める故障箇所が方程式の解だとすれば、そこに辿り着くまでの過程を楽しむのも秋の夜長にはまた良いものです。
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