2020/11/20
TEAC C-2 突然停止するジャンク・修理清掃の記録
TEACのカセットデッキ C-2、オークションで落札した難あり品を清掃・修理した際の写真です。現在行っているブログ引越し作業中に見つけたフォルダに入っていた画像で、タイムスタンプは2009年の冬でした。
11年も前の事なので記憶が曖昧な部分もあり、修理情報と言うより画像のアップがメインですが、コネクタの配置などは写っておりますので修理レストアの際の参考にでもなれば幸いです。

【写真・下】 皿ビス用のワッシャーです(ローゼットタイプではありません)。
C2ではカバーのトップにある2本の丸皿ビスに使われています。
ちょっと特殊な形状なので水谷さん(昔の秋葉少年ならご存知のはず=ネジの水谷)でもすぐに出るかどうか。
単なるお役御免あるいは故障により使用が終了し、そのまま放置されたものであれば絶対に残っている部品です。しかしコレが無いと言う事は誰かが蓋を開けたという事になります。そしてワッシャーの組み戻しを忘れるという事でその誰かのスキルは凡そ推し量れます。

曖昧な記憶ですが本機の出品解説には以下のような事が記されていました。
・録音再生中に突然停止状態に戻ってしまう不具合が頻発
・長期間放置品、現状不動
突然停止はかなりウザイ不良であることに間違いなく、修理に出すと 「メカコンの暴走はロジックICの劣化不良も考えられますのでまずは半導体を全交換してから様子を見ましょう」、とか言われるタイプ。だが大抵の場合、そんな所に原因は無い。
作業の方は到着時に融けて切れてたベルトを掃除して新しいベルトに交換、テープが走る状態にまで戻すことから始めました。
メカを下ろした時の写真ですがベルトの破片が落ちています。

光漏れの防止用だと思いますがメーター脇にあるスポンジも劣化。
解けたゴムベルトとか劣化したスポンジ、コレが家族の肌や服に付いたらもう家に居られなくなります。
慎重に掃除して、小さな破片も見逃さずに捨て、スリッパの裏も確認してから部屋を出る。

メカ後ろ側、フライホイールを抜いた状態の写真です。
幸いにもリール駆動系のアイドラのゴムには溶解や硬化は見られませんでした。
試しに先ほど(2020年11月)、手元にあった90分テープで早送り・巻き戻しをしてみましたが問題なく完走。

フライホイールのクリーニングやベルト交換の際に外さなければならない物を撮ったのだと思います。
(フライホイールを押さえているバックパネルの固定ビスとキャプスタンのオイルシール、かな?)

湿気のある汚れや初期の錆を感じたので全ての部品を下ろし、シャーシの掃除と手入れを決意しました。
LO-Dの時もそうですがC-2も普及機には無いオーラを感じ始め、作業が丁寧になっています。

基板に見える銀色の長い部品は固定用のステーだったと思います。
2ヘッド機の故障原因の一つでもあるレコプレ(REC or PLAY)切換スイッチではありません。
ただし本機もフロント右にある縦一列のレバースイッチ群は手入れをした記憶があります。

シャーシに付着していたのは黒い埃。タバコのヤニの付着は無し。
今、写真でも見ても汚ったない。
たとえカセットデッキでも塵や埃の付着によるドロップアウトの発生を危惧される方はいらっしゃると思います。

水洗い後、軽く錆対策。

組み戻し開始。

ハーネスの引き回しは付いた癖に逆らわないように気をつけただけで、特に悩んだ部分は無かったはず。

基板上にケミコンが見えてますが交換は行っていません。

リア部分。この上にもう一枚パネルが乗りますので見えなくなる部分ですが、今この写真を見てもシャーシの状態は悪くないように思えます。

組み戻し後のテスト再生では何の問題も感じさせない綺麗な音が印象に残っています。
メカもキビキビとした気持ちの良い動きでした。が、やはり突然ヘッドが下りた。
エアチェック(死語)中なんかにコレが起きたら、うんざりしただろうなぁ。
当時のメモによるとこの機械のメカコンは汎用デッキコントロールICであるM54410P(三菱)を中心に組まれていました。気の短い人であれば早速このICの手配に入る事でしょうが、今なら配線を全部切ってArduinoで制御する手もアリかも。
何はともあれ、どこかでインピーダンスが上がっているのかな、電源が揺れているのかな、IC不良かな、と回路を追う前に各コネクタを軽く弄ったのを覚えています。
すると軽く揺するだけでヘッドが下りてしまう(ストップ状態になる)コネクタを発見。
当初はポスト側(オス)と基板の半田クラックを疑うも違いました。
初めての経験でしたがコンタクトの金属自体が脆く変質し弾性を喪失、接触が不安定になっており、接触圧を上げようと僅かにコンタクトを広げると折り曲げ部分に亀裂。
応急処置で該当のケーブルを基板に半田付けするとそれ以来、現象現れず。
念のため装置内の同型コネクタ全てのコンタクトを点検、弾性の弱さを感じるものの接触は保たれていました。

四角いのがバイアスの発振器、その横の6個並びがバイアス周波数調整用のトリマーでしょう。
当時はサービスマニュアルやテストテープが無かったので調整部分を弄る勇気は出ず。
(2020年11月現在、英文のサービスマニュアルはネットで取得可能です)

下の写真内で左下にあるメカの上が電源部、その横で縦に配置されているのがメカコン、右半分は2階建構造ですが見えているのがREC-AMP系だったと思います。

ここまで記事を書きつつ、あらためて近年の価格高騰と玉数の減少を思いました。
C-2も手放したらもう二度と買えないだろうなあ。

今後はこういった品もビンテージアイテムと化して行くのでしょうか。

会社の取引先のスタッフであり、今時のIT系のお兄さんからWordPressブログへの引越しを薦められ、他のネット活動についても日々アドバイスを頂いております。
「オーディオ機材の分解修理とかは動画に撮ってユーチューブに上げるんですよ」とご指導を賜りました。
はい、今後はチャレンジしてみます。
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