2020/12/16
中華USBオシロスコープ MDSO 再び弄る
中国製のUSB接続PCオシロスコープ、機種名 MDSO。2013年のゴールデンウイーク前にチャイナマート経由で購入しました。
当時見た商品ページはこんな感じ。付属品も同じ。

良く出来ているとは思ったけど、飽きが来るもの早かった。
2020年12月、ブログ整理中に思い出し、久しぶりに取り出す。

構成はサイプレスの CY7C68013A +アナデバの AD9288。
CY7C68013A をオシロ・DIY関連でググるとそれなりに突っ込んだ情報も得られました。

本機の後継機種がamazonでもそこそこの評価を得ているISDS205Aである事が判明。
メーカーはINSTRUSTAR。

メーカーサイトにあるWindows10対応の最新版アプリをダウンロード、起動してみる。
あ~ダメだ、スイープしない、、、購入当時も落胆した記憶が甦る。
そして、あっ、そうだ!と思い出す。
右側のパネルにある緑色のランプが付いた【CH1】をクリック。
当該チャンネルがアクティブとなりランプが点灯している画像に変化、動きました。
7年前のデバイスでも切り捨てずに対応を続けているメーカーの姿勢に敬服。

アプリ側で接続機種を自動認識しているようです。
(USBケーブルを抜くとアプリはDEMOモードになる)
括弧内は仮想シリアルポート番号でしょうか。

表示モードは単画面の他にタイムドメインと周波数ドメイン(FFT)の同時表示などもあり。
写真を撮り忘れましたがロガー機能も持っています。
画面のレイアウトや操作感は購入時に付属していた旧バージョンと大差なし。

下の写真では振幅のスケールがリニア(mV)ですが、高調波の振幅がlogで読めれば簡単な計算でTHDも測れるなと思ったら、既に右下に表示されていました。
精度を語るには次元が異なります。しかしアンプの試験中にNFBを連続可変した際の挙動がこのUSBオシロ一台で追えてしまいます。
歪率に限らず、私レベルの工作や実験における測定では、絶対値は得られずともその実験装置内でのピーク、ディップ、フラットネスが掴めれば事足りてしまう事も多いです。

面白くなってきたので再び基板を観察。
入力信号はダイオードによる過電圧保護を経てAD8065(高速オペアンプ)のボルテージフォロワへ。
次のAD8065とアナログスイッチ(4051)でステップアンプが構成されています。
その出力がAD9288でAD変換され、CY7C68013Aに入り、データがUSBから送られます。
3.3Vのレギュレターはロジック用の電源でしょう。
写真右上、黒いのがアナログ回路用±5V生成のDC-DCコンバーター。
(安物は総じてノイジー)
高感度領域でS/Nの悪化を感じる場合はこの辺を高品質な物に交換するか、別回路で組んだものと置き換えれば改善するそうです(後述のコンパチ物製作記事があるサイトに記述あり)。
ファームウエアは右下の24LC64に収納。
入力のアッテネーターとACカップリングが省略されている点が残念なれど、後継機種には搭載されている模様。

ネットを探せば現行機種であるISDS205Aのファームや基板のガーバデータも手に入ってしまいます。
これらの情報で完全自作(完全複製)も可能ですが、我が国では正規品をアマゾンで買った方が安いかも。
下の回路図はISDS205Aに近いもの。
(入力部分にあるリレーの駆動電源がアナログ用電源から独立しているだけで後は全く同じらしい)
本機(MDSO)も基本的な構成は同じ。
DC/ACカップリングとATT、その制御回路を追加後、ファームを書き換えればISDS205Aに化けそうです。
MDSOではステップアンプの制御をCY7C68013AのPA1~PA6で直接制御(パラレル制御)しているのに対し、現行のISDS205A(下の回路)ではリレーコントロールの分も含めて多くの信号をまとめてシリアル化し、それを受けるシフトレジスタ(U5)が各信号に展開してそれぞれを制御する形になっています。
よってISDS205A偽装化には上記ハードの追加・改造に加え、ファームの更新(偽装)も必須。

社外アプリを使えばandroidでも使用可能。
ウチの場合はWindows10から見捨てられたATOMのタブレット(Win8.1)が相棒となるかもしれません。

ということで、久しぶりに弄って判明した事を覚え書き。
・MDSOとはINSTRUSTARの初期のUSBオシロスコープ。
(帯域20MHz、サンプリングは48MS/s)
・購入当時、アプリはどこかからの流用かと思いましたがオリジナルでした。
(他社の本体でINSTRUSTARのアプリは使用不可らしい)
・2020年12月現在、アプリの最新版はV3.11.3.0 (2020.4.29)
XpからWindows10(64)まで対応。リンク→Multi VirAnalyzer
・Androidは社外(個人)の製作になりますが対応アプリが存在。
・USBオシロってWindows10の画面録画を併用すると凄く便利。
・接地が浮いた状態でサージをかっ喰らうとPCまで破壊される可能性も。
ブラウン管オシロの修理などにも使わない方が良いでしょう。
・ファームを確保していれば万一にデバイスが全滅しても修復可能。
デバイスに特殊な物は使われておらす、すべて入手可能。
サイプレスのサイトにあるツールで基板上のEEPROMの操作が可能(要ハンダジャンパー)。
・現在はMDSO後継機種のISDS205Aが販売されている。
アプリ側から操作できる入力ATTとDC/ACのカップリング切換機能を持ちます。
MDSOはオークションやジャンク屋で偶然に安く手に入れば実用性もあってラッキー。
そうでなければISDS205Aをお薦め。

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