2011/05/29
ガイガーカウンター自作 流用電源の検証(1)
土曜の朝に仕事を片付け、仮眠の予定が爆睡本眠してしまいました。夜食を買いにコンビニへ行き、ついでにふらりとレンタルDVD屋さんへ。
オーケストラ!という洋画(EuropaCorp)を借りましたが、これが最高!。
メラニー・ロランが可憐で可愛くて、イングロリアス・バスターズの女の子が記憶にある方はぜひ見て下さい。
(まったく関係ありませんが、名作「山猫は眠らない」(名射手ベケット軍曹モノ)は3で終わりのような流れの中、スピンオフで元メダリストのミラーさんが主役を張る新作がリリースされたようですね。)
さて、忙しさの反動と、それなりにGM管の駆動に目処が立ってきたことで先週はポチりまくりだったようです。
ヤマト便、ゆうパックの送り状が張られた箱が普段の月末より大目に転がっています。
秋月さんや丹青さんからの部品類に加え、LND×××とか6993とか、、、。
これから数日は代休としてGM管関連に時間が取れそうなので、これまで頭に浮かんでいた実験をしつつ、ガイガーカウンターの製作を進めて行くつもりです。
まず電源の検証です。
写ルンの回路を例に取っていますが、CFL用のインバーター基板、秋月さん式の555+パルストランス、PICなどのパルス出力+ストロボトランス等でも同様に考えておくべき問題だと思います。
昇圧回路の実際のところの出力電圧=GM管駆動電圧です。
販売サイトでCFL用のインバーター基板に対し、テスターで電圧を測り、「あくまでも無負荷時の電圧(開放電圧)です」と謳っているのを見かけました。はたして無負荷と言えるでしょうか。
AXT電源など、低電圧で大電流であればテスターごときの入力抵抗は実質的な負荷と考えなくとも良い場合が多く、ここは百歩譲って無負荷(あるいは無負荷に近い)と言えますが、電圧が上がってくるとテスターの入力抵抗に流れる電流も増え、特にCFL用や小型ストロボ用など、限られた電力規模の昇圧回路では測定による回路への影響が無視できなくなります。
(大容量の回路+トランスでも無負荷(開放)状態ではかなり振ります。CPUからのPWMをスイッチングデバイスを経て写ルンのトランスで昇圧しても同様です。誤解を恐れぬ言い方をさせていただくと、特に流用部品を使った昇圧回路の開放電圧は非常に読みずらい、ということです。
また根拠の提示ができず経験的な話になってしまいますが、フリーランな発振回路ほど、ある程度の負荷を与えないと電源電圧や環境温度などから受ける影響もより顕著に現れます。)
さらにGM管ですが、これは抵抗性デバイスではなく(抵抗値はほぼ∞)、待機状態において容量性デバイスであるということです。
発振+トランスで得た高圧を整流・平滑しただけでGM管に結んだ場合、DC経路が無く、それこそテスターで電圧を測定している時よりもはるかに無負荷に近い状態です。
メーカーであれば専用のトランスと回路(巻線比よりもさらに面倒で大切なパラメーターを満たし、環境による変動をプラトー域内に収める設計)とし、制御無し(トランスの出力を整流・平滑のみ)でそのままGM管に結ぶだけの製品も作ることは可能でしょうが、自作の場合は検証や測定にも設備が必要となりますのでかなり難しいと思います。

写ルン基板での実験です。
LEDを除去し、平滑コンデンサを0.1μFに交換、アノード抵抗4.7MΩ+カソード側に検出用の100KΩを繋いであります。動画中に圧電スピーカーからの音が入っていますが、これは実際にGM管が動いている状態でのインサーキットテストです。
画面左が安価なれど所有の測定器とのトラッキングではそこそこ精度が確認できたデジタルテスター・入力抵抗1MΩです。
中央は入力抵抗1000MΩのアダプタを通したマルチメーター。
(↑アダプターで60dB落としていますので小数点を無視して読んで下さい(0.402V→402V)
右のアナログテスターは写ルン基板への供給電圧をモニターしています。
入力抵抗1MΩのテスターを繋いだ状態で400Vになるよう、写ルン基板の電源電圧を設定しました。
最初の20秒は入力抵抗1MΩで測定、その後テスターを離した状態で20秒、最後の20秒は再びテスターを接続しています。
実験(2)ではテスター(1MΩ)とマルチメーター(10MΩ)を入れ替え、負荷が10MΩとした場合です。
(20~40秒、マルチメーターが0.000Vとなりますが、回路とは完全に切り離しています。)
【当然ですが、入力抵抗10MΩのマルチメータを切り離しても、1000MΩのアダプタを使って測っていますので動画の20~40秒が完全なる無負荷ではありません】
さて、ではGM管への電圧を規定内、適切な値に設定、維持する為にはどうすべきでしょうか?
実はさほど難しいことでもありません。

これから作ろうとしている物とは別ですが、とりあえず動作時の高圧を測定値と等しくさせる案です。
要するにテスターを外すと電圧がその回路の開放値近くまで跳ね上がってしまうなら、テスターを当てた状態に固定してしまえば良いわけです。
具体的には計測に使用したテスターの入力抵抗と同じ値の抵抗をダミーロードとして挿入します(ブリーダ抵抗)。
これにより消費電流は増加しますが、GM管にかかる電圧は掴む事ができ、サーベイメーターとして良く鳴るものの、はたして過電圧駆動になっていないか?GM管へのストレスはどんなもんか?という不安からは開放されます。
図中、下の方はさらに高級化したもので、いっそのこと高圧を常時モニターしてしまおうという手です。
(拙稿に活用している実験ボードの電圧計がそのものです。)
ICL7136 を使った液晶DVMなら秋月さんのキットで安価に製作可能です。
これに入力抵抗10MΩ、減衰量-80dB(1/10000)のアッテネーターを接続し、常時高圧に接続しておけば、そのアッテネーターがブリーダとして機能し(ICL7136 の電池が切れてもブリーダ抵抗としての機能は続きます)、さらに常に高圧を監視することができます。
秋月さんのDVMキットを作るのが億劫でしたらアマゾンの格安デジタルテスターでも。
図では写ルンの回路を書きましたが、CFL用のインバーター流用でもブリーダは入れておくべきでしょう。
GM管のタフネスさに助けられていますが、これが過電圧に弱いデバイスですと出力が開放状態に近い昇圧回路の場合、電源をONした際の過渡的な動作(突入電流)でデバイスの破壊などもあり得ると思います。そして繰り返しますが、出力が開放状態に近い昇圧回路はその電圧が読みづらい(ズバリと電圧を言えない)ものです。
(良く鳴る回路にブリーダを挿入し、電圧を再調整したら感度が悪くなった、という事も起こるかもしれません。が、実はそれがそのGM管の定格動作ということも考えられると思います。)
また適度な負荷を与えることにより、電源電圧の変動による出力電圧の変動も開放状態よりはやや良好になります(インバーターの電源電圧を可変三端子などで制御し、所定の高圧を得る場合などでも多少ですが調整のクリチカルさが軽減されると思います。)
この方法ですが、秋月さんの回路(C-MOS版555/0.1μF+100Ω+1MΩ)にパルストランスでは絶対に無理です。
昇圧により得られる電力が細すぎ、ブリーダに電流を流す余力がありません。
この回路は再現性を重視しつつ、簡素な回路で消費電力を低く収めるよう設計されたものでしょうし、今現在我々アマチュアも目指している長期計測(ロギングなど)は特段意識してはいないと思います。
加えてこの回路にストロボトランスを流用した場合、トランスの設計周波数、電流とは大幅に異なる点での動作になりますので効率もかなり低下するはずです。
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コメント
管理人のみ閲覧できます
2011/05/31 11:08 by 編集
管理人のみ閲覧できます
2011/06/14 19:57 by 編集