2011/04/01
使い捨てカメラのストロボ回路
幸運にも入手が叶ったGM管ですが、これを使ってガイガーカウンターを作り上げる為には高圧電源を用意しなければなりません。今現在、多くの方々が使い捨てカメラのストロボ部分を使って実験をされていますが、私もスーパーで買ってきました。
基板だけの物は15年以上前に秋月さんで買ったものです。ケミコンと基板が半田付けされておらず、組込み直前の物だったようです。
お店の方で起したと思われる回路図付の説明書が付いていましたが、回路図の方は残念ながら大胆なミスあり。
(下の写真、コダックの方にはレンズにテープが貼ってありますが、これをして撮影枚数分+@シャッターを切って巻き上げると未使用フィルムが取り出せます。+@が多いと耳までパトローネに飲み込まれますのでご用心を)

下がOKストアで400円台で売っていたフジの回路です。(トランスはBOTTOM VIEW、5ピンはNCです。)
一昨日の晩に起してみたものの、どうにも寝つきが悪く、翌朝考えても私の技量ではこんな表現(図)が精一杯でした。ほぼ間違いないと思いますがこれから実験される方はどうぞご参考程度に。
寝つきが悪かった原因は二次側に発生した電圧(電流)がダイオードを通って各部に渡り、その後のドコへ帰るのか?です。
6ピンから4ピンまでを二次巻線と書き、ベースにはタップ(2ピン)から流すと表現したほうが二次側の流れは理解しやすいかもしれません。
●チャージ完了がLEDであり、一見して共に電池+へ結び付いているように見えますが、ケミコンがチャージされれば二次側電圧(高圧)の負へ引き込まれ、点灯します。
●連動スイッチの片方は電源、もう片方は電源OFF時にトリガーコイルにパルスを流すコンデンサを切り離し、メインのコンデンサに電荷が残っていても発光しないようにする為の物。コダックとは正反対の思想です。
メインのコンデンサ(キセノン管放電用)を交換し、許容範囲で電源電圧を可変すれば、今回入手できたGM管の駆動電圧は得られそうですが、気をつけなければならない事もあります。
1)電流は十分です。インピーダンス10MΩのテスタで電圧を測ってもさほど誤差は出ないと思います。=大食いです。安定して発振する範囲でTrの電流を調整する必要があるでしょう。
2)NPNを使って発振させ、ダイオードの向きも正電源の方を向いていますので何気に見過ごしがちですが、電池の(-);図ではGND;が高圧回路の(HV-)と結び付いていません。
ベース巻線と二次側(出力側)巻線が独立していれば、駆動電圧と回路変更で一次、二次のGND共通化は叶えられると思われますが、そもそもトランスのピン部分で巻線が折り返しています(一見タップ風)。
アノードにGM管規定のアノード抵抗を介して(HV+)に接続、カーソード~(HV-)間に繋いだ抵抗に現れる電圧でクリック音を出すだけ(圧電スピーカーをパラ接続するだけ)ならば問題ありませんが、他にロジック回路を設ける場合は別電源を用意し、(HV-)とロジック用別電源のGNDを接続する必要があります。
=高圧発生回路の電源はロジックGNDに接続できません。

次(↓)は昔々、秋月さんで大人買いしたストロボユニットです。
当時、コニカ製の使い捨てカメラ物とよく似ていたような記憶があります。
ストロボ管メーカーのカタログに載っている推奨回路にも近く、スッキリ・シンプルな回路だと思います。
どれもそうですが、大食い回路ですので電源のON/OFFはベース側で行っており、フジと異なる点はチャージ完了ランプがネオン管、ドライブ側と高圧側のGNDは共通ですが、極性が逆です。
高圧側の電流経路はトランスの共通端子からベース→エミッタ=GNDから各素子を経てダイオードのアノード、トランスの二次へと流れます。
このままダイオードの向きを逆にすると電圧は現れるが電流が流れない?という矛盾した動作になると思います。もちろん動くからOK的な使用は避けるべきでしょう。

最後(↓)はコダックのものです。
回路起しに飽き、かなり省略してしましました。
高圧正電源仕様で電池の(-)と(HV-)も共通です。
ウザいのは電源のON/OFF部分で、ワンプッシュのONで高圧が発生すると、その後はその電圧でON状態を保持し続ける回路が入っている点です。この辺はチップ部品で、SCRを使って状態保持を作っているような感じです。
このユニットをGM管ガイガーカウンターの実験に流用するのであれば、電源スイッチを永久ONにしてしまい、きちんとした(コレクタ電流に堪え得る)スイッチで電池(電源)をON/OFFしてしまうのが手っ取り早かもしれません。
セットされていたアルカリ単三で270V程度の出力がありました。

最後は自分用の備忘録としてストロボ管・ストロボ用トランスのメーカーカタログにある回路です。
駆動/出力電流の方向が示されていますのでストロボ用電源回路の理解には最適でした。
20数年前のものですが、この図が頭に無ければ今回さらにとんちんかんなトレースをしていたかもしれません。

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