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BVW-50 ¥1050-

14日、父親の通院同伴の帰り、例によってハードオフに。
最近無駄遣いぎみなのでジャンク漁りは自粛、ヤイリのアコギ弦(手ぶらで店を出るのが心苦しい時はいつもコレ)だけ買って帰るつもりが、また買ってしまいました。
BVW-50_a.jpg


睡眠時間僅少だし昼前から暑いし、今日は店内を一周して帰ろう・・・。
”ナニコレ?” ジャンク棚の前の床に見たことあるような機械。

”えっ、25(BVW-25)?、でもメーター4個あるから35(BVW-35)?、あれぇ、50じゃん!。幾らなの?”
ジャンク・保証なし¥1050-。
買うか買わないか悩みもせず、ただハンドルを掴んで持ってカウンターに向い、いつもの美人お姉さんで会計。

SONYの放送用ビデオデッキ、BETACAM SPのBVW-50です。
思い起こせば90年代、会社(デザイン系の仕事です)を興して数年後、リースを組もうかと考えた事もありました。しかし当時のウチのような仕事の場合UVWシリーズで十分だったのでUVW-1600と1800でシステムを組み、BVWの導入は断念。だってBVW-50はUVWの2台の合計金額より高かったような記憶。

でも今あっても使い道は余り無い、、全然無いです、、、。 まあいいや、、、そもそもジャンク。

一見して嫌なコンデンサがずらりと並んでいるように見えますが、こういう機械はほとんど大丈夫です。
実はダメダメなんですが、メンテの際にサービスで交換済みのはず。
(当時、知り合いの会社がコレを使用中にメカコンが暴走しテープを絡ませた事がありました。ブチきれて修理に出し、戻ってきた伝票を見せてもらった所、ケミコンがズラーっと。他でもそんな事があったのか、現場の評価はBVW-35の方が高かったような気がします。しかし悪いのは設計したソニーではなくケミコン。あの電解液を深い検証も無く世に送り出した罪は大きいと思います。70年代のカセットデッキは大丈夫なのに。)
この機械も例のケミコンは全て交換した跡があります。
BVW-50_d.jpg


税込千五十円だし、使い道無いし、、まあ、どうでもいいけどメンテ歴の確認。
ドラム800H(hour)過ぎで一度整備。数字は電源投入時間・ドラム(ヘッド回転)・テープラン・スレッド回数だと思います。導入後ドラム750H超で最初の点検がSONYの指定だったと思うのでこれは普通ですね。
その後1500HでC仕様の整備をしたようですが(ちょっと早め?)、C仕様は上ドラム交換指定です。+Lとあるのは恐らく下ドラム(Lower)交換の意味だったような。いずれにせよ放送機のC仕様なんて、ものすごい費用がかかる整備です。
ウチの会社にあったUVW(放送機未満の業務機)はドラム2000H経過してもメンテには出しませんでした。
ということで、シールの記録を見る限りきちんと整備を受けており、ケミコン交換もそのタイミングでしょうか。
20130516_04.jpg


当時あこがれの機械の中身拝見。左右の赤いギアは緊急脱出用!です。
何らかの故障でテープが取り出せなくなった時、右側を回してローディングを解除後、左側のギアを指でグリグリしてテープを取り出します。テープが痛むのは百も承知。
扱う内容によっては何百万もする機材より記録したテープの方が大事、前後が傷もうと、とにかく急いでテープを回収しなければならないといった事もあったでしょう。
BVW-50_b.jpg


このデッキ、放送機ジャンクとしてはかなり綺麗です。ピンチローラーも古い機械の割りには健全な方。使用を終えてからの時間は経っていると思われますがヘッド他メカは清潔な状態を保っていました。
ビデオヘッドの交換も厳密に行うにはスペアナが必要で、BVWのメンテナンスマニュアルにも必要測定器として記されています。ヘッドからのRF確認にはゲーテッドスイープが必要でしょうね。
BVW-50_c.jpg


ベータやVHS、Uマチックとは異なるコンポーネント記録は当時のマニアにも憧れの的。
Y信号を単独に記録しつつ、同時に2つの色差信号を時間軸方向で半分に圧縮して一つに並べて記録し、再生ではそれを伸張して2つの色差信号に戻す。凄い技術ですが、初期のベーカムではそれをアナログ回路で実現していました。
BVW-50の世代では今ほどではないものの、デジタル処理も含まれているようです。
BVW-50_e.jpg


上の写真で左下にリチウム電池がありましたが空っぽでした。
よってアワーメーターも万年リセット状態。
しかし電源が入り、こうして画面に字が出ちゃうとテープの再生はできるの?と欲が出てきます。
20130516_09.jpg<


昔の話ですが取引のあった会社から、DVCAMにコピーして不要になったベーカムのテープがあるが要らないかと聞かれ、山ほど貰って帰ってきました。
「貰ったテープ、内容残ってたけど?」
「ああ、そうだった?。だったら別の物を録画すれば消えるよ。」
みたいな感じ。お互いの信頼関係があるからこその話なのでしょうが、なんかゆるーい。
(テープの内容はレンタル屋に行けば借りられるモノばかりで、特に有り難味はありませんでした。モザイクもデカイ・・・。)
まだ捨てずに残っていたのでテストテープとして活用。

まずはローディング、アンローディング。共にテープが絡むような事はありません。
では再生。ヘッドの寿命がどんな感じかと思いましたが、全然きれい。
ベーカムでもヘッドが怪しくなってくると白→黒、黒→白の部分がざわざわしますが、これは綺麗です。
(写真が汚いのは私のデジカメ撮影が下手だからです)
20130516_10.jpg


ベータマックスやVHSなど低域変換のVTRでは赤など輝度が低く色が濃い部分にノイズが目立ちますが、ベーカムは次元が異なります。このデッキでも余裕の赤。
20130516_11.jpg


ブルーオンリー。色信号をモニター内のBlueだけでドライブ。モニター上で映像信号のノイズを見る際に用います。
ノイジーに見えますが、これはデジカメのせいで実際は記憶にあるUVWシリーズより一段上の静かさでした。
20130516_12.jpg


ということで、昔は手に入れる事のできなかった放送用ビデオデッキでした。
昔のレンタル用AVのマスターテープを 「当時の高画質」 で一本見て終わり。

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Author:Dellbee
デルビィです(少年時代にハマったアマチュア無線局のコールサインを捩りました)。
子供の頃から電子電気・機械物弄りが好きで、今も自分の時間が取れた時は何か弄っています。

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